売約済 オーストリア1928年(ND)ファンタジーリストライク6ダカットNGC PF68UCAM

オーストリアの大司教ヴォルフ・ディートリヒが描かれた6ダカット金貨のご紹介です。

ザルツブルクのジュエラーであるアントン・コッペンウォルナー(AK)により製造・発行されました。

NGCにはUNDATEDと記載されていますが、恐らくザルツブルク大聖堂が1598年に大きく損傷し、1628年に再建されてから300周年記念として1928年に発行された記念金メダルではないかと思われます。

ザルツブルク大聖堂はモーツァルトが洗礼を受けた教会でも有名で、歴史は古く、774年に建立してから、火災、損傷、補修、再建を繰り返し、現在の大聖堂は1628年に再建された当時の姿を残しています。

 

表面:ヴォルフ・ディートリヒの右胸像。

刻印【WOLF: TEOD: AR* EPS: SALIS: SED: AP: LEG】

裏面:上部にカペロ・ロマーノ(※)、そこから両サイド八の字にタッセルストリングが紋章を抱く様に描かれています。

また紋章の両サイド下にA−Kと彫られています。

刻印【REGITME * * DOMINVS  下部XIIIMM】

直径30mm、重量19.62gm、エッジはプレーンです。

※カペロ・ロマーノとは直訳で「ローマの帽子」という意味で、17世紀頃までカトリックのお坊さんがかぶっていたつばの広い黒い丸帽子のこと。

カペロ・ロマーノの別名は「サトゥルノ」で、イタリア語で土星の意味。

 

ヴォルフ・ディートリヒは、わずか28歳でザルツブルク大司教に選ばれました。

頭脳明晰な人だったので、当時の規定よりも2年早く大司教に就任です。

また大司教の力を使って、ザルツブルクを立派な建築と広場を有する美しい街にしようと尽力しました。

高貴な家系の出身で、ローマで教育を受け、鋭い知性と文化に対する旺盛な関心を持っていました。

壮大な王室厩舎、カプチン派修道院、参事会会場、教会や修道院から噴水や馬洗い場まで、いろいろなものを作っています。

大聖堂が火災で焼け落ちたため、新たに大聖堂建築計画を立てるなど、精力的に活動しました。

豊富だった資金が薄くなってくれば次々と新税を発明して住民を締め上げ、反抗勢力が出ると処刑などで応戦。

あまりにも独裁的だったため、クーデターが発生し、最期はホーエン・ザルツブルク城に幽閉され、その6年後にこの世を去りました。

 

NGCによりPF68UltraCameoの素晴らしい評価を得ています。

市場にもほとんど出回ることのない珍しいデザインでございます。

72万円でのお取り寄せとなります。

売約済。ありがとうございました。