神聖ローマ帝国オーストリア グラーツ1629年10ダカット金貨NGC MS62
重量約34.2g、グラーツ造幣。
大型金貨でスラブケース目一杯に収められています。
表面:フェルディナンド3世の右胸像。
刻印【FERDINAND:Ⅲ D:G:H:B:REX】
裏面:金羊毛騎士団(※)の勲章が帝冠を戴いた盾(横縞・ハンガリー/2つ尾をもつ獅子・ボヘミア/斜縞模様・バイエルンまたはグラーツ伯爵領)を囲むように配置されています。
刻印【ARCHIDVX*AV STRIAE*EC*1629】
※金羊毛騎士団とはブルゴーニュ公フィリップ善良公によって作られた世俗騎士団でゴールデン・フリース騎士団とも呼ばれます。
最近話題のハプスブルク家の幻のコイン。
政府が報償などの目的に使っていた10ダカット金貨は、元々、発行枚数が限定されており、限られた階級の者だけが手に出来る金貨だったため、現在でも市場に出回ることはほぼなく幻のコインとも言われています。
10ダカット1629年銘グラーツは、皇帝フェルディナンド3世が大病を患った後、幸せな治癒を迎えたことを記念して作られた単年度発行のコインです。
フェルディナント3世の10ダカット金貨は神聖ローマ帝国領の造幣廠で発行され、そのバラエティーは目を見張るものがあります。
オーストリアではウィーン造幣廠(Vienna Mint), グラーツ造幣廠(Gratz Mint), ザンクトファイト(St.Veit), ポーランドのブレスラウ造幣廠(Breslau Mint), チェコのプラハ造幣廠(Prague Mint), ブリュン造幣廠(Brunn Mint), ハンガリーのクレムニッツ造幣廠(KremnizMint)などがあります。
多くの金貨が稀少品なのであまり目にすることがありません。
いずれも非常に希少なもので、主に世界の美術館の所蔵品となっています。
絶対的な1枚は個人コレクションとして保存されているのでしょう。
NGCにおいても1629年銘10ダカットは2枚のみしか鑑定されておらず、こちらのMS62はトップグレードとなります。
多くのダカット金貨が、Repaired(修正)、Cleaning(洗い)等々のデメリット表示が付くなど、きちんと鑑定番号がつかないものが多いので、大変貴重な1枚となります。
決して安い価格ではなく、以前に比べ、価格の高騰を感じられるお客様が多いのではないでしょうか。
なぜなら世界的な需要と、さらに超稀少コインの価格が急上昇しており、特に保存状態の良いコイン全体の価格が高騰しているためです。
またこのコインは、その芸術的なプレゼンテーションと彫刻の細部の質の高さから非常に興味深いものとなっています。
レリーフは非常に高く、このタイプのコインは常に希少性が高く、通常のオークションの平均を上回っています。
今回を逃すと次回はいつ出回るか、その時にはさらに価格が高騰しているのでは、と懸念するところでございます。
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