売約済 イギリス1893年ヴィクトリア2ポンド金貨PCGS PR63CAM
先日こちらのコインのPR64DCAMをご案内させていただきましたので、コインやデザインについてはこちらをご参照ください。
(https://www.premiumgoldcoin.com/c-item-detail?ic=A000000665)
今回は裏面の【セントジョージと竜退治】のデザイナー、ベネディット・ピストルッチに注目したいと思います。
ベネディット・ピストルッチは、ロイヤルミントのレジェンド彫刻師であるウィリアム・ワイオンと同時期に、彫刻師を勤めたローマ出身のイタリア人です。
かの有名な【ウナとライオン】を手がけたウィリアム・ワイオンは、父も主任原版彫刻師でエリート一家。
一方で、【セントジョージの竜退治】(聖ゲオルギウスの竜退治とも呼ばれています)を手がけたベネディット・ピストルッチはイタリアやパリでこそ有名でしたがイギリスでは外国籍の彫刻人ということでかなり苦労したそうです。
そんな中、ジョージ3世、ジョージ4世治世下で、【セントジョージの竜退治】と呼ばれるソブリン金貨の代表的なレリーフを手がけました。
この金貨のデザインをきっかけに、1800年以降イギリス貨幣のデザインがより芸術的なものへ劇的に変わることになったのです。
力強い裸体で馬に乗り、竜に負傷を与える聖ジョージの姿は主君を表し、古代ギリシャのパンテノン神殿に描かれた裸体の勇者にも劣りません。
芸術的な価値をも高めた金貨は、1955年ハンフリー・サザーランド著書の中で、【最も高貴な技術革新を与えた貨幣の一つ】としても紹介されています。
また彼は他にも、ヴィクトリア女王やジョージ4世の戴冠式記念メダルも手掛けています。
表面は肖像画モチーフですが、メダルの裏側は(連合国の国を表現した)女神達から冠をいただくイギリス国王の姿が描かれています。
この女神たちから冠をいただくデザインは細やかな描写で緻密に表現されており、彫刻の随所に巧みなイタリアの手法と洗練されたデザイン性がうかがえます。
200年を超えた今でも、ソブリン金貨に採用されることもあるほど、長年英国にて愛されているデザインの1つです。
【セントジョージの竜退治】が描かれている面に彫刻師イニシャル「B.P」(Benedetto Pistrucci,ベネディット・ピストルッチ)が描かれているので探してみてくださいね。
現代ではコインコレクターはもちろん、芸術家や歴史研究者の間で【聖ジョージとドラゴン】が描かれた1ポンド金貨は珍重され愛される存在となっているのです。
148万円でお取り寄せできます。
売約済。ありがとうございました。
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