ドイツ ミュンスター1661年6ダカット

鑑定結果がDetailではダメなのでしょうか?
PCGSやNGCの鑑定では少しの磨きやクリーニング、修復でDetailがつきます。
なるべくディテイルのついたものは避けるに越したことはありません。
ただ、そうしてしまうと、先人の残した素晴らしいコインたちが、所持されることなく
あまりにもったいなくて、可哀想すぎるという気がするのは私だけではありません。
同業者のHさんも同じような意見をお持ちでした。
絵画でも修復は当たり前のことであり、ほとんどすべての絵画は修復されています。
コインもメダルも芸術品であり、売却して儲けようと思わない限りは、この素晴らしい
ものたちを所持して愛でるという行為は、崇高なものであるのではないでしょうか?
 さて、そういう目で見るとこのミュンスターの6ダカット
聖パウルがミュンヘンの上空で雲に乗って街を見守っています。
ミュンヘンの都市景観という意味でも貴重なコインであります。
これはエッジの部分を修復した可能性のあるもののようで、鑑定に出せばおそらく
ディテイルがつくと思われます。
ただご覧になればわかるように、どこを修理したのかよくわかりません。
多分、おもて面のエッジが擦り切れているような箇所があるので、そこかなと思います。
このミュンスター6ダカットは1年に1度の割合でオークションに出てまいります。
前回出た時はお客様の依頼で代行入札をしました。結果は負けましたけれども。
その時は800万円のご予算をいただいていましたが、1,200万円以上でしたね。
MS61というグレードがついていました。
同じようにAU55~58と思われるものが出品されましたが、それも700万円オーバーでした。
それと同じ程度のものをドイツのディーラーが持っていまして悩んでいます。
この写真で見る限りは、また鑑定に出さない限りは全く許せる範囲でありますし
何よりコレクションの一つとして、他のコレクターが持っていないものの1枚であります。
聖パウルの表情、ミュンヘンの街の様子、紋章、刻まれた文字、すべて鮮明な状態で
残されています。
直径46.7mm 重さ21.87g 、6ダカットです。