古代ギリシャマケドニアBC323年〜317年スターテル金貨NGC AU5/5 4/5

古代ギリシャマケドニアのフィリッポス3世の統治下で造られたスターテル金貨のご紹介です。

こちらのコインはアレキサンダー時代のスターテルと同じデザインで、表面には知恵の女神アテネが、裏面は勝利の女神ニケ(ナイキの語源)が刻印されています。

 

 

表面:アテナの右頭像。

コリント式ヘルメットを被り、紋章の端を頭の上に押し戻し、蛇を巻き付けた装飾が施されています。

裏面:ニケは外側を向いて立ち、頭を左に向け、伸ばした右手に花輪を持ち、左腕にスタイラスを抱いています。

左側のフィールドにある巻きつき蛇と星の上にMHのモノグラムがあります。

輝きと光沢のあるゴールドのフランに、よく打たれたドラマチックなイメージの作品に仕上げられています。

刻印【ΦΙΛΙΠΟΥ,】

重量約8.6g、直径約17.5mm。バビロン造幣局発行。

大きさだけ見ると小さなコインのようですが、古代地中海やメソポタミアでは金の採掘量は少なく、とても貴重だったため、こちらの大きさが大型金貨に属します。

 

フィリッポス3世はアレキサンダー大王の庶弟で、大王の急死後に王位を継承しました。

フィリッポス3世の幼少期はアリヒダイオスという名で、彼は成長するにつれ、学習障害であることが明らかとなります。

プルタークは、フィリッポス2世の妻オリンピアス王妃が、息子のアレキサンダーに対抗しうる者を排除するために、ファルマカ(薬物・呪文)を使って彼の命を狙ったためだと考えていました。

(この主張には、現代のほとんどの学者が異論を唱えています。)

アレキサンダー大王はアリヒダイオスに愛情を注いでおり、彼を戦場に同行させました。

これは彼の命を守るとともに、彼を王位継承への挑戦の駒として利用しようとする企てを阻止するためでもありました。

バビロンでのアレキサンダー大王の死後(前323年)、アジアのマケドニア軍はアリヒダイオスが王であると宣言しますが、彼は有力な将軍たちの手先として形だけの王という存在だったそうです。

 

NGCによりAU5/5、4/5との評価を得ています。

Strikeは打刻状態を表します。

こちらのコインは最高ランクの5段階評価中の4評価となっています。

Surfaceは表面状態表します。

こちらは5段階中4と評価されています。

 

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