トランプ関税は1kg以上の金に10%の関税を課す?→ヨーロッパの金がなくなる/価格上昇?


以下はBloombergの記事です。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-08-08/T0NVEWGP493400?srnd=cojp-v2

NY金先物、ロンドン現物との価格差一時125ドル超-関税報道で
1キロ、100オンスの金地金は課税対象と米税関当局の文書-報道 
当局の誤りでないとすれば、かなり大きな方針転換-BNPパリバ  
米国が1キログラムの金地金の輸入に関税を課すとの報道を受け、ニューヨーク市場の金先物価格がロンドン現物価格を大幅に上回った。
12月渡しの金先物は8日のアジア市場で急上昇し、現物価格との差は一時1オンスあたり125ドル(約1万8000円)超に拡大。その後はやや縮小し、ロンドン時間午前8時1分時点でおよそ101ドルとなった。
これほど大幅な価格乖離(かいり)は異例だが、今年これまでにも米国の関税発動への懸念から大きな価格差が生じた例がある。
通常、ニューヨーク先物価格はロンドンのスポット価格とほぼ連動して推移する。だが今回は、ニューヨークの金価格が一時1オンス=3534.10ドルと過去最高値を記録。
一方、ロンドンの現物価格はほぼ変わらずの3396.04ドル近辺で取引されている
。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が入手した7月31日付の米税関・国境警備局(CBP)の書簡によれば、1キロおよび100オンスの金地金は関税がかからない分類ではなく、課税対象として扱うべきだとされている。
トランプ米大統領の広範な関税政策の中で金の扱いがどうなるのか、不透明感が高まった。
トランプ政権は4月に金を関税の対象から除外しており、その際には金先物のプレミアムが急低下し大規模な裁定取引も終息していた。
BNPパリバのシニア商品ストラテジスト、デービッド・ウィルソン氏によれば、今回の税関判断がスイスからの輸入にのみ適用されるのか、それともすべての1キロ地金に関わるのかについて、市場では混乱が広がっている。
同氏は「私が話を聞いた関係者の多くは、CBPが誤って金を分類していると考えている」と述べる一方、「もしその解釈が正しいとすれば、かなり大きな方針転換だ」と付け加えた。
米国はスイスから大量の金を輸入している。
スイスは世界最大の金精製拠点で、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の先物・現物交換(EFP)での受け渡しが可能なように400オンスの地金を1キロずつに鋳直ししている。
この金地金に関税が適用される可能性が出てきたことで、「EFPのポジションを裏付けるため、米国への金輸出を増やす取り組みが進行している」とウィルソン氏は指摘。「このためEFP取引が爆発的に増加した。それが金価格の上昇を後押ししている要因の一つだと思う」と述べ、「金市場全体と、EFPを運営し米国内に金を確保する必要のあるブローカーと銀行にとって、極めて厄介な問題となっている」と続けた。

以下は私の考察です。
アメリカはスイスからの金に対しては1kg以上には10%の関税をかけると聞いています。アメリカの金価格が100ドル以上ヨーロッパより高ければ、ヨーロッパで金が売り切れることになり、価格はアメリカの価格に収斂されていくと思われます。
ヨーロッパでは100ドルも安く金を手放す人はいなくなるでしょう。また金を空売りしている人たちは大打撃を受け損を覚悟で買い戻すことになり、さらに金価格は上昇します。
スイスが輸出する分には損はないのですが、輸入するアメリカ人が10%の税金を払うため、金価格はどうしても上昇します。
トランプさんはヨーロッパの金を減らそうとしているのでしょうか?
金を制するものがルールを作る、と以前から言っていましたので、アメリカに金を集めておいて、その後金の再評価/相場の数倍、3400ドルを15000ドルなどにすればアメリカの借金は半分になります。
ロンドン/LPBMや/COMEXの在庫数量はあまり信用されていません。
世界の中央銀行は自分でお札を印刷できるのも関わらず、金を毎年1000トン以上買っています。
彼らもお札の終焉を誰よりもよく知っていて、もしアメリカが金の再評価をすれば、自分たちの金の価値も数倍以上になりメンツが保てることになります。
BRICSも金担保の通貨システムの国々なので、西側諸国はそれを模倣しないと国が破綻することになるので、必死だと思います。