ドイツババリア1640年マキシミリアン1世5ダカット金貨NGC AU53

 

 

1640年、バイエルン選帝侯マクシミリアン1世(在位:1597-1651年)の治世に発行された稀少な5ダカット金貨のご紹介です。

 

表面:武装し剣と円球をもって宮殿の前にたつバイエルン選帝侯マクシミリアン1世。

刻印【MAXIMIL : COM : PAL : RH : VT : BA : DVX : S : R : I : ARCHIDAP : ET : ELECT】

裏面:雲上にイエスを抱く聖母マリア、そしてその両サイドには2人の天使が描かれ祝福しているように見えます。

刻印【NISI : DOM : CVSTODIERIT : CIVIT : FRVST : VIGIL : QVI : CVSTODIT 1640】

コイン中央部にはミュンヘンの要塞や街並み、そして下部にイザール川が描かれています。

年号は上部に彫られた「DATE ABOVE」タイプです。

重量約17.29g、発行枚数は不明ですが100〜200枚程度と予想されています。

 

マキシミリアン1世は非常に有能な統治者であり、特に財政に優れていたことで有名です。

ミュンヘンで生まれ、イエズス会の教育を受けて成長し、1597年、父の退位によりバイエルン公に即位しました。

治世では財政再建と常備軍の確立に力を尽くし、身分制議会の統制やミュンヘンの宮殿拡張、ホーフガルデンの建設も計画、デューラーやルーベンスの作品も集めてヴィッテルスバッハ家のコレクションを拡張させました。

 

君主の人気と都市景観の美しさから、特に海外で人気のある1枚でございます。

立派な王宮の中で鎧装束を纏ったマクシミリアン1世の反対の面にはミュンヘンの都市景観、その空には雲があり上には聖母子像の姿が繁栄するミュンヘンの都市を祝福するように描かれています。

デザインが美しく「バロックの傑作」金貨とも言われており、コレクターの中でもそのデザイン性に惹かれる方々が後を絶ちません。また、それぞれの面のから分かるように「武勇と平和」が対照的となっており、このコントラストがこの金貨の魅力なのです。

 

ヨーロッパ金貨の中でもダカット金貨は毎年値上がりを続けており、裸で取扱いが多いダカット金貨ではあるものの、このマキシミリアン1世5ダカットは、オークション以外で見かけることが極めて少なくなって参りました。

 

NGCによりAU53の評価を得ています。