古代ローマ117〜138年 ハドリアヌス帝アウレウス金貨NGC Ch. AU 打刻状態5/5 表面状態4/5 Fine Style

 

 

 

 

第14代ローマ帝ハドリアヌス治世に発行された金貨のご紹介です。

アウレウス金貨は、ローマ皇帝が発行する中で最も価値の高いコインでした。

 

ローマ帝国の五賢帝の一人として知られているハドリアヌス帝。

彼は前帝トラヤヌスとはうって変わって、平和的にローマの世を治めた人物でした。

土拡大へと突き進む古代ローマ帝国を基盤の強い国とするため、内政を重視し、平和なローマ帝国を作り上げました。

在位は117年〜138年と約21年ですが、そのうち12年という長い年月を視察旅行に費やして帝国各地の防衛力を強化しました。

 

 

表面:ハドリアヌス帝の右胸像。

刻印【IMP CAESAR TRAIAN HADRIANVS AVG】

日本語訳:最高司令官 トラヤヌス・ハドリアヌス皇帝

裏面:玉座に腰掛ける大神ジュピター(ユーピテル)

刻印【PMTRP – COS III】

日本語訳:大神祇官 護民官特権の保持者 執政官三回(ハドリアヌス帝の尊称号)

重量約7.35gm。

 

 

ハドリアヌスはその治世を通じ、国内外において目覚しい成果を挙げた人物です。

彼はローマ帝国全体の統合強化と平準化や、官僚制度の確立と行政制度の整備、法制度における改革などを手がけました。

また建築に情熱を注ぎ、帝国の領土視察に長年を費やしたハドリアヌス帝ですが、愛人の不慮の死や、ユダヤ属州における反乱で心を病み、幸福とはいえない晩年を過ごしました。

即位当初は絶大な人気を誇ったハドリアヌスですが、晩年は「ハドリアヌス庭園」でひっそりと過ごしたそうです。

 

このハドリアヌス帝時代の温泉浴場を舞台にした映画「テルマエ・ロマエ」をご覧になられた方も多いのではないでしょうか。

作品の中にハドリアヌス帝のコインもいくつか出てきています。

俳優市村正親さんがハドリアヌス帝を演じておられましたが、当時も国民に人気のある皇帝だったそうです。

日本ではこの「テルマエ・ロマエ」を通じてその名が知られるようになりましたが、ヨーロッパでは今もなお人気の高い皇帝の一人です。

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