イギリス1893年ヴィクトリア2ポンド金貨NGC PF62CAM

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表面:ヴィクトリア女王の左胸像。

宝冠の後ろにかかるベール、ペンダントのついた真珠のネックレスとイヤリング、これらを身に着けたヴィクトリア女王が描かれています。

また胸元には英国における最も高貴な勲章、通称ガーター勲章が輝いています。

刻印【VICTORIA. DEI. GRA. BRITT. REGINA. FID. DEF. IND. IMP】

日本語訳:ヴィクトリア 神の恩恵により 大英帝国の女王 信仰の守護神、インドの女皇

裏面:セントジョージと竜退治。

 

 

通常ヴェールドヘッドと呼ばれるこちらのコイン。

このヴェールにはヴィクトリア女王の愛情深い逸話があります。

コインに映る、彼女が生涯愛しつづけたたった一人の男性、アルバート公。

夫であるアルバート公とはおしどり夫婦として有名ですが、彼はドイツ出身でイギリスでの公的地位を何も持っていませんでした。

ヴィクトリア女王の伯父である当時の国王ウィリアム4世は猛反対しましたが彼に一目ぼれしたヴィクトリア女王は諦めませんでした。

ついにヴィクトリア女王とアルバート公は身分違いの結婚を認められ、その障壁はなかったかのように二人は確かな愛をはぐくみ、国民が「理想の夫婦」と憧れるほどの関係となりました。

しかし1861年に最愛の夫アルバート公は病に侵され42歳の若さでこの世を去りました。

彼の死によって深い悲しみに包まれたヴィクトリア女王はめっきりと表舞台に姿を見せなくなりました。

当時のイギリスでの服喪期間は2年でしたが、30年以上たった1893年でも彼女はヴェールを身に着け彼の死を悼び続けたのでした。

コインに描かれたヴィクトリア女王の肖像画があまりにもリアルで彼女がそこに閉じ込められているのではないかと思えるほど。

ヴィクトリア女王の肩になだらかにかかるそのヴェールは今にも彼女の肩をそっとなでながら落ちていきそうです。

100年の時を超えて、今でもコインの中でなら彼女に会える、そんな気がします。

また、こちらの金貨は派手過ぎず、上品な輝きを放つ黄金色が特徴的です。

イギリスでは春を運ぶ花として知られる「ダファディル(黄水仙)」。

その花のように気品ある黄金色に輝いています。

長い間、英国を守ってきた威厳ある女王にふさわしい上品な色合いの金貨です。

 

 

一度手にすると手放したくないとも言われるヴィクトリア女王最後の金貨。

発行はわずか773枚ですが、すでに溶解されてしまったものも多いと言われています。

198万円でのお取り寄せでございます。